今日こんなことに気付いた

バイクと映画と犬が好きで趣味で漫画も描く50男が日々気付いた記録

映画「家へ帰ろう」~人生の最後は旅で終わりたい

普段はアマゾンプライムでゆるい日常系アニメとかB級ホラーを観ていますが、自宅で奥さんが横にいるときはドラマも鑑賞します。

昨夜観たのは2017年のスペイン・アルゼンチン映画「家(うち)へ帰ろう」。88歳の老人が70年前の約束を果たすために旅に出るロードムービーです。

主人公はアルゼンチンに住む仕立て職人のアブラハム。既に仕事を引退し、片足は動かなくて切断手術が必要、娘たちに家を取り上げられて老人ホームに行く運命にある。彼はかつて第二次世界大戦後のポーランドで命を救ってくれた友人に、自分が仕立てたスーツを届けるという約束を果たすため家出同然の旅に出る。けれど道中はお約束のトラブル続きで。

最初アブラハムの印象はケチで見栄っ張りで自分勝手な爺さん。娘や孫たちからも好かれていない。旅の中でも口八丁でホテル代をケチろうとしたり、飛行機の席で横になりたいために隣の席の青年に意地悪をしたりする。

けれど徐々にアブラハムの壮絶な過去が回想シーンや旅の途中で出会った女性たちとの会話のなかで明かされていき、彼の印象は変わってきます。なぜ彼は祖国ポーランドの文字を口に出して言わないのか。ドイツの地に足を踏み入れることを拒むのか。

 

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前半はコメディ感覚の映画ですが、不自由な身体を鞭打って旅を続ける主人公に心を打たれます。ラストは不覚にも目頭が熱くなる映画でした。奥さんはいつも通り居眠りしていましたけど。

老人が主人公のロードムービーではデビット・リンチ監督「ストレイトストーリー」も好きな作品です。人生の最後は旅で終わりたい。

2021.9.5(日)曇り/晴れ