大事なメールは夜届く、だから早朝出勤

朝、誰よりも早く事務所の鍵を開けてパソコンを立ち上げる。十年近く続けている出勤スタイルだ。
通常業務が始まるまで約一時間、誰にも邪魔されずに未読メールに目を通す。

一件急を要するメールがきていた。
工事監督者から夜間、作業員の家で不幸があって、一名交代したいとの連絡だった。
氏名、会社名そして住所県。この監督は分かっている。今はコロナの影響で住所県情報は必須だ。
十分に間に合う。作業員名簿の差し替えを守衛と工場長にメールする。工場長からはすぐに承認の返信がきた。この人も朝が早い。

ときには事故災害の速報が入っていることもある。速報を書く人は残業してでも当日中に提出しなければならないからだ。僕も経験があるから分かる。
いち早く情報を知れば、後に続く関連指示への心構えが出来る。間違った情報が担当内に拡がらないように先手のメールで周知することもできる。

帰宅は定時上がりすることが多い。
残業規制が厳しくなったせいもあるけど、最近歳のせいか夕方になるとスタミナが切れてしまうのだ。とんちんかんな返答をして部下から呆れられることもしばしば。
門を出るところで同年代の社員から、もう帰るのか？と茶化された。
「そういうこと言うのはパワハラだから」
「俺は部署が違うからいいんだよ」

社内で早朝出勤している人は皆同年代だ。昭和世代の古いやり方なんだろう。
今は社内メールを見るだけなら自宅でも出来るわけだし、若い世代からはバカにされるだけだろう。

まぁいいんだ。退職の日まで４ヶ月を切った。
2020.9.5(土) 晴れ