休日、妻への小規模な抵抗
奥さんの家事にはいろいろ言いたいことがあるし、事あるごとに意見してきた。僕の意見が取り入れたことはない。奥さんは僕の育った家庭環境を見下しているのではないか。
以前、奥さんが敬愛する良寛さんにあやかって、食事を一つの茶碗で済まそうと提案したら、貧乏臭いこと言うなと叱られた。
昔からバスタオルと手拭いの洗濯物が多すぎることが気になっていた。
毎日バスタオルを二枚か三枚洗っているのだ。我が家は四人いるから、一回身体を拭いて濡れただけのタオルをそのまま横にある洗濯機に放り込んでいるということじゃないのか?手拭いも同じ理由で多い。
今日は僕だけ休みなので、奥さんは朝、洗濯機を動かさないで仕事に行った。こういう日は僕が洗濯をするからだ。
チャンスだ。僕は洗濯機の中から全てバスタオルと手拭い(なんと六枚もある)を取り出し、一応匂いを嗅いでから、自室にある物干しに掛けた。
僕の部屋には強力なアラジンストーブがあって、下に置くと洗濯物は直ぐに乾くのだ。
乾いたら何食わぬ顔で畳んで、脱衣場の棚に置けばよい。ばれないはずだ。ばれるはずはない。