資産家の叔母の跡取り

奥さんの叔母は古い屋敷と広い畑と山を所有する資産家らしいけど、旦那とは離婚していて、一人娘には先立たれて、広い屋敷に一人で住んでいた。

娘さんの葬儀のとき、なぜか僕が遺影を持って葬列に加わることになった。（娘さんとは生前会ったこともないのに）叔母の親類は「あの男は誰だ？」って感じだったらしい。叔母は直近の親戚と仲が良くないらしかった。

その後叔母の家に泥棒が押し入った事件があって、心配した奥さんと僕は、時々叔母の家を訪ねるようになった。叔母は喜んで、毎回僕らの三人の子供にと少なくない額のお小遣いをくれた。なんかお金目当てで行くようで気が引けた。

叔母の親戚には子供の大学費用の援助を頼ってきた人もいるそうだ。叔母の弟にあたる義父は、叔母の財産を当てにしている親族から不愉快なことを言われたらしい。面倒ごとに関わりたくないから相続権を放棄したと言った。

次女の成人式で亡くなった娘さんの振袖をいただいた。着物のことは分からないが高価なものらしい。成人式が終わってから、お礼に次女を連れて叔母の家に行った。次女は高校の同窓会があるので早々に引き上げるつもりだったが、叔母の話しが終わらなくて困っていた。

どうやら叔母は末っ子の次女を跡取りの養子にしたいと考えていると思われた。僕自身三人兄弟の次男だが、子供のいない親戚夫婦の養子に出されそうになったことがある。結局僕の従弟が養子になったのだが、小学生だった僕は養子に出されることが不安で仕方がなかった。だから僕は自分の子供を養子に出す気はなかった。

その後、僕の家族は離れた街に引っ越したので叔母とは疎遠になった。最近、奥さんから叔母に関する新しい話しを聞いた。身の回りの世話をしてもらっていた男を養子に迎えるのだそうだ。その男の奥さんと子供が屋敷に引っ越してくるという。義父と奥さんには、これから力になって欲しいという意味を含めてお金を渡された。相続権がある親戚にはさらに桁違いのお金を渡したという。俗な言い方をすれば「お金で黙らせた」ということだろう。資産家であるがゆえに、叔母との付き合いにはいつもお金が付いて回っている気がした。

写真は今日ケーキを買った古民家カフェ（叔母とは無関係です）。

2022.1.16（日）晴れ