年賀状をやめた件
昔から年末恒例の年賀状を書くことがストレスだった。
世の中には、おそらく何のストレスも感じないで家族写真の年賀状とかをたくさん作って、周囲の知人に送る人もいる。きっとまっとうな人なんだと思う。僕は家族の写真とか人に配りたくない。
子供が小さいうちは親の手本を示したくて、子供と一緒に年賀状用の木版画を彫ったりもした。それは楽しい思い出になったけど、子供は成長すると年賀状を出さなくなった。しばらく一人で干支の木版画を彫っていたが仕事が忙しくなるとそれも続かなくなり、写真店で年賀状を印刷したり、コンビニで売っている印刷入り年賀状で済ます年もあった。
誰に出すか出さないか、考えたくない選択に悩み、何年も会っていない同級生や親族に「またいつか会いましょう」と形式的なことを書く。そんな一連の行為が苦痛だった。いつからか、親しくなっても新しく年賀状を出す人を増やさないようになった。
それで思い切って一昨年の年末からは、自分から年賀状を出すことを一切やめた。届く年賀状には感謝を込めて年賀状を書いて送った。僕が出そうが出すまいが送ってくる人はいるし、途絶えた人もいる。
年賀状をやめたことで困ることは何も無かった。そもそも日本人が年賀状を出すようになったのは比較的最近のことだろう。文化と呼べるほどの歴史はない。
年末が近づいても年賀状の心配をしなくてもいい。生活が少しシンプルになって楽になった。やめて正解だったと思う。
一方、奥さんは人の縁を切るようなことは良くないと言う。
2020.11.17(火) 晴れ