早期退職して得たもの、失ったもの
一昨年１２月に３４年間勤めた会社を早期退職して、４カ月間の無職期間を経て初めての転職、同時に単身生活を始めた。
１年近く経って、振り返って得たものを列挙すると、
退職金でローンを完済：５５歳早期退職と６０歳円満退職では、退職金額はそれほど差はなかった。住宅ローン残額と子供達の大学にかかった学資ローンを一括返済できたことが一番嬉しかった。結婚して以来、ローンがない生活は初めてだった。借金がどれだけ心のストレスになっていたのかを思い知った。
仕事の呼出し電話が無くなった：仕事柄、夜間休日の会社からの呼出し電話がときどきあった。一時はこれが原因で携帯電話の着信音の幻聴に悩まされた。いまのポジションは呼出しがないので、休日は余計な心配をしないで出かけられる。仕事とプライベートの時間を切り分けられるようになった。
新しい生活と人間関係：再就職先は家から２時間以上かかる場所だったので、近くにアパートを借りて新しい環境で単身生活が始まった。会社の人間関係も一新された。今の会社は中途採用者比率が高いので、良くも悪くも多様な同僚に囲まれている。
会社に依存するマインドから脱却：以前の僕は会社を辞めることへの不安と恐れから時には理不尽な待遇にも耐えてきた。一度無職を経験して再就職できたことで、いざとなれば最悪無職から始めればいいんだと開きなおることができた。
健康的になったかも：対人交渉の業務が減って肉体労働が増えたことで、心のストレスが減って体力が向上した（ガタイが良くなった気がする）。最初の頃は慣れない環境で下痢や痒みが起きたけれど仕事に慣れるにつれて落ち着いた。でも年齢のせいか最近あちこちの関節が痛い・・・
一方失ったものといえば、
年収が減った：以前の会社は平均的にみて高年収のほうだった。転職後は年収が４割減った。定年までの５年間×年収の差額分を人生でロスした計算になる。それでもローン返済が無くなったから日々の生活に困らないし、子供達も独立している。この年齢で正社員採用されたことはラッキーだったと思う。
これまでの仕事の業績は帳消し：当然だけど新しい会社では見習いからやり直しなんだ。前の会社でどれだけ仕事を任されていたかとか一切関係ない。一般社員（平社員）採用なんだからと気持ちを切り替えて、過去とは決別した。
人脈もすべてリセット：同じ会社に長年勤めていたから社内、取引先に相当な人脈があった。転職でそれはほとんどなくなった。寂しくないといえば嘘になる。
理想の仕事内容とは言い難い：以前から入りたかった業界で、苦労して取った資格が活かせる仕事に就いたはずだったけど、いざ入社してみると思い描いていた仕事内容とはかけ離れていた。かといって再度転職をする気力は、今はない。
いろいろ想定外はあったけど、僕のケースは早期退職して正解だった。これまでの経緯は過去の投稿で綴ってきました。興味を持った人は読んでみてください。（カテゴリーは早期退職、無職日記、単身生活）
2022.3.26（土）雨
